サグラダファミリアの中心にそびえる「イエスキリストの塔」は、建築家アントニ・ガウディの信仰と芸術の集大成であり、完成が間近に迫っています。
この塔は単なる建物の一部ではなく、神と人をつなぐ象徴として設計され、訪れる人々に深い感動を与える存在です。
2026年の完成を迎える「イエスキリストの塔」は、ガウディの理念とバルセロナの文化を象徴する未来へのメッセージとなります。
サグラダファミリア『イエス・キリストの塔』とは?
「イエスキリストの塔」はサグラダファミリアの中心に位置し、信仰の象徴として建てられた最も重要な塔です。
建築家アントニ・ガウディが生涯をかけて追い求めた「神と人間をつなぐ建築」という理念を形にした場所であり、サグラダファミリア全体の“心臓”といえる存在です。
サグラダファミリアの中心にそびえる“信仰の象徴”
サグラダファミリアには全部で18本の塔があり、その中で「イエスキリストの塔」は中央に建てられています。
周囲を囲むように、12使徒の塔や福音史家の塔、そして聖母マリアの塔が配置されています。
建物全体がまるで一つの宗教的な物語を語っているような構造です。
塔の最上部には巨大な十字架が設置されます。
この十字架はキリストの復活と光を象徴しており、昼は太陽の光を反射して輝き、夜は照明によって空を照らします。
ガウディは「信仰の光が世界を導く」という考えを持っており、その理念がこのデザインに込められています。
2026年の完成を迎えると、「イエスキリストの塔」は世界で最も高いカトリック教会の塔となります。
バルセロナを訪れる多くの人がこの塔を見上げながら、ガウディの信仰と芸術の融合を感じることでしょう。
塔の位置と高さ ― 聖堂で最も高い172.5m
「イエスキリストの塔」はサグラダファミリアの中で最も高い172.5メートルの塔として設計されています。
この高さには、ガウディの深い信仰と謙虚さが込められています。
ガウディは「人間の手による建築物が、神が創造した自然を超えてはならない」と信じていました。
そのため、塔の高さをバルセロナのモンジュイックの丘(約180メートル)よりわずかに低く設定しました。
このわずか7.5メートルの差は、人間が神に対して謙遜であるべきという考えを表しています。
建築の高さにまで宗教的意味を持たせた点が、ガウディの作品らしさを示しています。
塔の構造もまた象徴的です。
内部には螺旋状の階段とエレベーターが設置され、訪れる人が上へ上へと登る過程で、まるで“天に近づく体験”ができるようになっています。
上昇する動線そのものが「信仰の道」を表現しており、ガウディの建築が単なる造形ではなく、祈りそのものであることを感じられます。
すでに塔の高さは155メートルを超えており、外装部分の完成が目前に迫っています。
塔の上部には4本の腕を持つ十字架が設置され、最終的に高さ172.5メートルに到達する予定です。
この高さは、宗教的な象徴とともに、バルセロナの新たなランドマークとして世界に知られることになるでしょう。
また、ガウディはこの塔を都市全体の中心軸として設計しました。
街のどこからでも見えるように配置されており、信仰の道しるべとして機能します。
観光地としてだけでなく、バルセロナの人々にとっても精神的な拠り所になる塔なのです。
ガウディが託した「天と地を結ぶ塔」という理念
「イエスキリストの塔」はガウディが“天と地を結ぶ塔”として構想した、信仰の象徴であり、彼の建築思想の到達点です。
ガウディは若い頃から自然を神の創造物として深く敬っていました。
彼は「自然の中にこそ神の真理がある」と信じ、植物や動物の形、光の差し方、風の流れなどを建築の中に取り入れました。
その思想が「イエスキリストの塔」にも息づいています。
塔の表面には有機的な曲線が多く用いられ、まるで生きているかのような躍動感があります。
自然の形と信仰の象徴が一体化した造形は、まさに“神の創造への敬意”そのものです。
ガウディがこの塔に込めたもう一つのメッセージは、「祈りの継承」です。
彼は生前、「神は急がない」と語り、自分の死後も信仰の力で建設が続くことを望みました。
サグラダファミリアの建設は彼の死後も続き、100年以上の時を経て、今ようやく完成に近づいています。
この長い年月は、信仰と人々の努力が積み重なった証でもあります。
2026年に塔が完成すれば、サグラダファミリアはガウディが夢見た“天と地を結ぶ聖堂”として、ようやくその全貌を現すことになります。
塔の完成は、単に建築の終わりではなく、ガウディが残した祈りの具現化です。
人間の信仰と努力が時間を超えて結実する瞬間といえるでしょう。
サグラダファミリアは2026年に完成する?
サグラダファミリアは2026年に象徴的な完成を迎える予定です。
1882年に着工してから140年以上という長い年月を経て、ようやく完成の目処が立ったのは、技術革新と世界中からの支援が大きな力になったためです。
サグラダファミリアの建設は一時期、資金難や戦争、そしてパンデミックの影響で何度も中断しました。
しかし、ガウディの信念を受け継ぐ建築家や職人たちが代々工事を引き継ぎ、今では最終段階に入っています。
中心となる「イエスキリストの塔」は2025年中に外観工事が完了し、2026年に巨大な十字架が取り付けられる予定です。
この十字架が設置される瞬間こそ、ガウディ没後100年を記念する象徴的な節目となります。
2026年は単なる建築の完成ではなく、ガウディの精神が時代を超えて実現する年でもあります
彼が生涯をかけて描いた信仰の建築が、ようやく世界に完成形として示されるのです。
1882年着工から140年、完成の目処が立った理由
サグラダファミリアの完成が現実味を帯びた最大の理由は、建築技術の進化と資金の安定的な確保にあります。
1882年に着工した当初、建設は手作業で進められ、ひとつの装飾を仕上げるのにも数年を要していました。
ガウディが生きていた時代は、図面も手描きで、模型を頼りに造形を確認しながら少しずつ進めるという非常に時間のかかる工程でした。
ところが近年では、3Dモデリングやデジタル設計、最新の石材加工技術が導入され、かつて数年かかっていた作業が数か月で完了できるようになりました。
もうひとつの大きな要因は、資金面の安定です。
サグラダファミリアは今でも建設費の大部分を寄付と観光収入でまかなっています。
世界遺産に登録されてから観光客が急増し、入場料収入が工事費を支える形となりました。
特にコロナ禍後の2024年以降は観光客が戻り、工事も再加速しました。
さらに、「イエスキリストの塔」の建設が進んだことで、全体の完成計画が明確になったことも大きいです。
技術・資金・計画の三つが整ったことで、ようやく140年越しの夢に現実的なゴールが見えてきたのです。
ガウディ没後100年に合わせた象徴的な年
2026年という年が選ばれたのは、ガウディが亡くなってからちょうど100年という節目にあたるからです。
ガウディは1926年に亡くなりました。
彼が残した図面や模型はスペイン内戦で一部が失われましたが、彼の精神と思想は弟子たちによって受け継がれ、現代にまで伝えられています。
建築家たちは「2026年を完成の年にすることがガウディへの最大の敬意である」と考え、世界中からの協力を得ながら計画を進めています。
「イエスキリストの塔」が完成すれば、サグラダファミリアのシルエットはガウディが意図した最終形に到達します。
2026年の完成は、単に建築の終わりではなく、信仰と芸術の結晶が実を結ぶ瞬間でもあります。
ガウディの魂が眠るサグラダファミリアの地下礼拝堂で、多くの人が祈りを捧げることでしょう。
サグラダファミリアが完成すれば、バルセロナの街並みは新たな時代を迎えます。
観光名所としての価値だけでなく、「信仰と芸術の融合」を体現する建築として、世界中の人々に希望を与える存在になると考えられます。
イエス・キリストの塔のデザインと意味
サグラダファミリアの中心にそびえる「イエスキリストの塔」は、ガウディが生涯をかけて追い求めた“信仰の頂点”を形にした建築です。
完成後の塔は、外観・構造・象徴性のすべてにおいて、サグラダファミリア全体の精神を体現しています。
この塔は「光と祈りによって神と人を結ぶ存在」として設計されており、キリスト教建築の新たな歴史を築く作品です。
頂上の十字架 ― 光を放つ“復活”の象徴
イエスキリストの塔の頂上には、巨大な四本腕の十字架が設置されます。
完成した十字架は昼間は太陽の光を反射し、夜には内部から輝くように設計されており、まるで「復活したキリストの光」がバルセロナの街を照らしているかのように見えます。
この十字架は「死と復活」を象徴しています。
ガウディは、十字架を単なる宗教的シンボルではなく、“生命と再生の光”としてデザインしました。
外部を覆うガラスモザイクには、白・金・青といった天を思わせる色が使われており、光の角度によって表情が変わります。
さらに高さ172.5メートルという設計にも深い意味があります。
ガウディは「人間の建造物は神の創造物を超えてはならない」と語り、バルセロナで最も高い自然の丘・モンジュイック(約180メートル)よりも低く設計しました。
これは、人間の信仰は自然と調和し、謙遜の心を忘れてはならないという教えを示しています。
サグラダファミリアのシンボルであるイエスキリストの塔は、完成後、昼夜を問わず光を放つ存在となり、「天上の光」と「地上の祈り」をつなぐ架け橋として輝き続けています。
内部構造とステンドグラスに込められた祈り
イエスキリストの塔の内部には、他の塔には見られない独特の空間が広がっています。
この内部は「祈りと静寂を通じて神と向き合うための場所」です。
塔の中心部は細長い螺旋階段と、天へと伸びる光の柱で構成され、訪れる人が上に行くほど明るさを増す構造になっています。
これは「人が信仰を深めるほど、神に近づく」という思想を建築で表現しています。
ガウディは自然を神の言葉とみなし、光の入り方、風の流れ、音の響きまでも設計に組み込みました。
ステンドグラスには、青や紫といった“夜明け前”の色調が使われ、塔の上部に近づくにつれて、赤や金など“希望と再生”を象徴する色に変わります。
この色のグラデーションは、キリストの受難から復活への道のりを象徴しており、塔の内部を歩くこと自体が「祈りの巡礼」となるよう意図されています。
観光スポットとしてだけでなく、静かに祈りを捧げる空間としても価値のある設計です。
また、塔の中心には「天と地を結ぶ光の筒」が通っており、日中は太陽の光が、夜は内部照明がまっすぐに天へ伸びるように見えます。
この光の演出は、ガウディが目指した“建築による神との対話”を現代に伝えています。
他の塔(聖母マリア・使徒の塔など)との関係性
サグラダファミリアには全部で18本の塔があります。
そのうち最も高いのが中央の「イエスキリストの塔」であり、その周囲を取り囲むように「聖母マリアの塔」「4人の福音史家の塔」「12使徒の塔」が配置されています。
イエスキリストの塔は“中心であり、導き手”の役割を担っています。
周囲の塔は信仰共同体を表し、すべての塔が中央のキリストのもとに集うように設計されています。
ガウディはこの構成を通じて、「信仰の中心には常にキリストがいる」というメッセージを伝えました。
聖母マリアの塔は、高さ138メートルで完成済みです。
純白の花をイメージした装飾が施され、「慈愛と母性」を象徴しています。
これに対してイエスキリストの塔は「復活と栄光」を表し、信仰の最終到達点として位置づけられています。
また、福音史家の塔(マタイ・マルコ・ルカ・ヨハネ)はそれぞれ動物の象徴(人、獅子、雄牛、鷲)を冠しており、四方からキリストの教えを守護する存在です。
この塔群が調和するように配置された結果、サグラダファミリア全体が「信仰の宇宙」を構成するような壮大な構図となっています。
2034年まで続く残りの作業とは?
サグラダファミリアは、イエスキリストの塔が2026年に完成しても、建設作業がすべて終わるわけではありません。
2034年まで続く工事は、正門である栄光のファサードや内部の階段、細部の装飾など、完成後も信仰と芸術の両面で価値を高める作業です。
イエスキリストの塔は中央の最も高い塔として2026年に完成予定で、頂上の十字架も設置されるため、サグラダファミリアを訪れる人々の目を最も引く存在となります。
しかし、塔以外の部分はまだ工事が続きます。
栄光のファサードは教会の正面入り口であり、装飾や彫刻の細かい仕上げ作業が求められます。
また、内部の階段や通路も安全性と美観の両方を確保するため、時間をかけた施工が必要です。
さらに、サグラダファミリア全体の建物構造や装飾の調和を保つため、完成済みの塔とまだ作業中の部分との統合も行われます。
ガウディの思想を忠実に再現するため、光の取り入れ方やステンドグラスの配置など、細部まで注意深く調整されます。
このように、イエスキリストの塔が完成した後も、サグラダファミリア全体の完成には約8年の作業が必要です。
2034年に向けた残りの工事は、建物の美しさと信仰の象徴としての価値を最大限に引き出すための重要な段階となります。
まとめ
サグラダファミリアの「イエスキリストの塔」は、信仰と芸術の象徴としてバルセロナの空にそびえ、2026年に象徴的な完成を迎えます。
結論として、この塔はガウディの理念である「天と地を結ぶ」象徴であり、聖堂の中心として訪れる人々に深い感動を与えます。
その理由は、頂上の十字架やステンドグラスに込められた祈りの意味、そして他の塔との調和により、サグラダファミリア全体の精神性が高められているからです。
完成後も、2034年まで続く細部の工事を通じて、ガウディの建築哲学と信仰の美学がさらに形作られます。
「イエスキリストの塔」は、未来に向けたバルセロナの文化と信仰の象徴として輝き続けます。

